元町という土地の話──なぜこの街は価格が崩れないのか
「築40年なんですが、値段はつきますか」
査定のご相談で、よくいただく質問です。
結論から言うと、この街では建物の古さだけで値段は決まりません。土地そのものに力があるからです。今日は、元町・山手という土地の話をします。
数字で見ると ── 中区は5年間、一度も下がっていません
国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、実際に売れた価格(成約価格)が公開されています。横浜市中区の中古マンションについて、1㎡あたりの価格(中央値)を年ごとに並べると、こうなります。
| 年 | 横浜市中区 | 横浜市全体 |
|---|---|---|
| 2021年 | 60.0万円 | 44.6万円 |
| 2022年 | 65.3万円 | 48.8万円 |
| 2023年 | 67.8万円 | 51.2万円 |
| 2024年 | 70.0万円 | 53.3万円 |
| 2025年 | 75.0万円 | 51.7万円 |
中区は5年間、一度も前の年を下回っていません。横浜市全体は2025年に前の年より下がりましたが、中区はその年も上がっています。横浜市18区のうち、この5年間で一度も下がらなかったのは、中区・西区・港北区の3区だけでした。
地区別に見ると、山手町は同じ5年間の中央値が約87.5万円で、中区全体(約68万円)の1.3倍ほどです。
築年数で見ても同じことが言えます。築41年以上の中古マンションの1㎡あたりの価格は、横浜市全体では24.6万円ですが、中区では36.0万円。約1.5倍です。
新しい建物が、どんどんは建たない街
山手には、1972年に横浜市が定めた「山手地区景観風致保全要綱」という独自のルールがありました。2020年からは、景観法に基づく「景観計画」と、市の条例に基づく「都市景観協議地区」に引き継がれています。建物の高さの上限はエリアごとに決められていて、新しく建てるときは外観などについて市との協議が必要です。
つまりこの街では、高いマンションを次々に建てて住まいの数を増やす、ということが起きにくい。住みたい人に対して、住まいの数が増えにくいのです。価格が崩れにくい理由のひとつは、ここにあると私たちは考えています。
街並みを、自分たちで守ってきた街
元町の商店街は、1955年に壁面線後退の指定を受け、約10年かけて通りの両側のお店が軒下1.8メートルずつ建物を下げ、歩く人のための空間をつくりました。1985年には歩道の拡幅と電線の地中化を完成させています。元町のシンボル、フェニックスアーチが建ったのもこの年です。
いまも元町通りでは、建物を新築・改装するときに、商店街の「街づくり室」と事前に協議するルール(元町通り街づくり協定)があります。誰かひとりの都合で、街の雰囲気が変わってしまうことがない。この積み重ねが、「元町に住みたい」「元町で暮らしたい」という人が途切れない理由だと思います。
価値が崩れない街だから、「手を入れて売る」が生きる
価格の土台がしっかりしている街では、お部屋に手を入れた分が、売値に返ってきやすくなります。
エイジレス不動産が、売る前にリフォームで価値を上げてからお出しすることをおすすめしているのは、この街の土台があるからです。安く手放す理由のない街で、安く売る必要はありません。
元町・山手・中区でお住まいの売却をお考えの方は、まずは今のお部屋がいくらで、手を入れるとどう変わるのか、一緒に確かめるところから始めませんか。査定・ご相談は無料です。
(私たちがこの街に店を構える理由は、こちらに書きました → エイジレス不動産が、元町にある理由。曽祖父が営んだ映画館の話)
※出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」(横浜市 中古マンション等・成約価格情報、2021年〜2025年)。1㎡あたりの価格は、公表された取引価格と面積から当社で算出した中央値です。面積・価格は公表時に丸められているため、目安としてご覧ください。
※横浜市「山手地区における景観計画・都市景観協議地区の策定について」、協同組合元町エスエス会「元町通り街づくり協定」「横浜元町今昔物語」
※過去の価格の動きは、将来の価格を保証するものではありません。


